水分が少なく、詰まったクラムが特徴のパン・ブリエの作り方
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今回は難易度★★★★★★(★6つ)のパン・ブリエ。
難易度の高いパンと言えば、バゲットやロデヴなど高加水なものが一般的ですよね?
今回は、逆に、極端に水分が少なく、パートフェルメンテ(前日までに作られた発酵生地)を多く使います。
手間がかかるのと、捏ね方が通常のようにはいかない・・・
という事で、難易度の高いパンです。
最近のパン・ブリエと伝統的なパン・ブリエ
パン・ブリエと聞くと、
生クリームや卵を配合たり、
水分は全て牛乳を使って作られるようなレシピを多く見かけます。
最近はリッチ系の配合にシフトしているようですが、
もともとは、
フランス、ノルマンディ地方の漁師が、
航海に持って行くパンだったんです。
航海という事で、長時間、日持ちさせるために、
極端に少ない水分で捏ね、硬めに仕上げていたようです。
・・・これが、伝統的なパン・ブリエでした。
バゲットがそうであるように、嗜好の変化で、
パンは日々進化しているのも事実です。
最近の傾向としては、ふんわりと柔らかい食感が好まれています。
リッチな配合のパン・ブリエも
これはこれで美味しい仕上がりになるので、
それも良し、ですが、
今回紹介するのは、硬めな表皮に覆われた伝統的なパン・ブリエです。
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パン・ブリエ特徴
先ほども言いましたが、水分が非常に少ないです。
硬めの生地なので普通には捏ねられません。
その捏ね方が独特なんです。
brié=brier
で、何度も強く叩く、という意味の語源です。
あっ!!
捏ねる時には麺棒のご用意を!!
という事で、ご想像通り、麺棒で叩きますよ(笑)
そして、
パン生地を仕込む時には、
小麦粉の3倍ほどのパートフェルメンテ(発酵生地)が使われます。
発酵生地や発酵種は、粉に対して20%~60%程使われるのが一般的ですが、
3倍という事で、300%使われることになります。
発酵生地の方が多く使われる、珍しいパンです。
食感も、他のパンでは味わえない、特徴がありますが、後半で書きます。
パン・ブリエの作り方
パン生地に仕込む粉の量を100%として計算します。
材料
メゾンカイザートラディショナル 100%
パートフェルメンテ(発酵生地) 300%
ドライイースト※ 1%
水 20%
塩 1.5%
無塩バター 10%
※インスタントドライイースト
今回は、メゾンカイザートラディショナル=90gで、
パートフェルメンテは270g、水は18gです。
パートフェルメンテ
パートフェルメンテは、フランスパン用の発酵生地です。
前日までに仕込んでおきます。
今回はライ麦ルヴァンを使用しているので、発酵生地にライ麦が入っています。
冷蔵庫で保存している場合は、復温してから使用します。
パートフェルメンテについては、↓コチラの記事を参照に。
ただし、今回は多く使いますので仕込む量は気を付けて下さいね。
パートフェルメンテは生地を常温に戻して復温させてから使用します。
生地作り~一次発酵
① パートフェルメンテと水を混ぜ合わせる。
② 粉とイーストと塩を混ぜ合わせる。
③ ①に②を加えてまとめていく。
④ 捏ね台に移し、カードで切りながら混ぜ合わせる
⑤ 水気がなくなって来たら、繰り返し折りたたみ、根気よく粉を入れていく。
⑥ まとまって来たら、麺棒で伸ばして2つ折りにして、更に伸ばす。
⑦ 三つ折りにして、麺棒で軽くパンパンと叩いて、また伸ばす。
⑧ 生地を平らに伸ばして、バターを混ぜ込む。
⑨ 生地がまとまって来たら伸ばして折りたたむ。
⑩ ⑦の工程を繰り返して、20分捏ねる。
⑪ なめらかになったら丸めて発酵させる。
★発酵の見極めはフィンガーテストで確認します。
今回は常温で5時間かかりました。
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成形
① 生地を丸め直して、ベンチタイムを30分取る。
② 麺棒を使って上下に伸ばして、クッペ成形にする。
※形は〇でもOKです。
★閉じ目が開きやすい生地なので、しっかり閉る。
二次発酵~焼成
① オーブンシートに生地を載せて、キャンバス発酵させる。
② 30分程発酵させたらオーブンの予熱を始める。
③ 表面にクープを入れる。
★バゲットと違い、クープは深めに入れます!
④ 軽く霧吹きをして焼成する。
今回は、予熱は250℃、
240℃に下げて10分、200℃に下げて20分焼成しました。
パン・ブリエのクラストとクラムは?
クラスト(表皮)は固めで、やや厚めです。
そして、クラム(断面)は詰まっているのが正解。
詰まっていても、ムッチリ感ではなく、ふんわりしています。
大きな気泡がない方が良いので、
失敗したバゲットみたいな断面が正解なんです(´艸`*)
硬いクラストとふんわりクラム。
このメリハリのある食感が、パン・ブリエならではです。
食べ出したら止まらなくなるんです。
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まとめ
配合、作り方共に個性的なパンです。
生地作りも成形も、空気を抜く事を意識して作るのがポイントです。
食べ方は、薄めにスライスして、軽くトーストするのがおススメです。
私は、スープと一緒に食べるのが好きです。
食べると必ず上顎が痛くなりますが、カリッとしたクラストとふんわりクラムがクセになります。
リッチな配合の今どきのブリエも良いのですが、
発酵生地を使って、水分少なめの伝統的なブリエも良いですよ~♪
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