香りの変化で見極める!ライ麦ルヴァンの作り方
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難易度★★★★★★のカテゴリーを追加してみました(´艸`*)
自家製酵母の中でも難しい、粉と水でシンプルに起こす酵母、ルヴァン種です。
今回は、ライ麦と水で起こしていきます。
ルヴァン種とは?
そもそもルヴァン種と言うのは、
発酵種の事です。
イーストを使って発酵種を作った場合も
自家製酵母を使って発酵種を作った場合でも、発酵種の事をルヴァン種と言います。
正確には、
イーストで作られた発酵種をルヴァン・ルヴール、
自家製酵母で作られた発酵種をルヴァン・ナチュレルと言います。
今回の発酵種は、
自家製酵母で作る発酵種【ルヴァン・ナチュレル】です。
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ルヴァン・ナチュレル
自家製酵母と言えば、果物を使う事が多いですが、
ルヴァン・ナチュレルは、小麦粉と水で起こす発酵種も含まれます。
発酵種を意味するルヴァン種ですが、
ルヴァン種と言われるもののほとんどが、この小麦粉と水で起こした発酵種の事を指しています。
※区別するために、自家製レーズン・ルヴァン(=自家製レーズン酵母の発酵種)と表現する場合もあります。
ライ麦ルヴァン(ルヴァンリキッド)の作り方
今回はライ麦を使うのでライ麦ルヴァンです。
小麦粉と水だけで作れてしまうルヴァン種なのですが、
全粒粉やライ麦で作り始めます。(2回目以降は、白い小麦粉でもOK)
白い小麦粉では発酵しにくいです。
自家製酵母の元種を作る時に、1回目の工程で全粒粉を使うのも発酵しやすいからです。
ライ麦ルヴァンは、酵母エキスを作る工程がありません。
時間をかけて発酵種を作っていきます。
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レーズン酵母でおさらい
まずは、自家製レーズン酵母でおさらいです。
簡単に作り方をを、まとめると
① レーズン、水、てんさい糖など(砂糖)を使い、3~5日ほどかけて、酵母を起こす。
② 完成した酵母エキスと粉を混ぜ合わせて発酵させていく。
③ ②の工程を3回程繰り返して、発酵種(元種)が完成。
という具合に、酵母を起こしてから、発酵種を作る必要があります。
ライ麦ルヴァンの場合は、酵母を起こして、酵母エキスを作らずに、ライ麦と水から発酵種を作るわけです。
作る行程がシンプルになりますが、その分見極めが難しいので、難易度は上がります。
レーズン酵母の起こし方↓はコチラに記載しています。
材料と作り方
✱冷蔵庫で休ませている間は日数にカウントしていません。
《1日目》・・・1日目だけは、必ずライ麦(または、全粒粉)を使います。
ライ麦 30gと水 30gを混ぜ合わせて、1日ほど常温(今回は26℃)で置きます。
2倍程度になるのが理想ですが、1日目はあまり変化が見られません。
1日経ったら冷蔵庫で休ませます。(6時間~1日)
《2日目》
酵母は下側にたまるので、表面を少し取り除きます。(2日目のみの作業)
※この工程は省いても出来ます。
強力粉 20gと水 20gを混ぜ合わせて、2倍程度になるまで発酵させます。
その後、冷蔵庫で休ませます。(6時間~1日)
2日目以降は強力粉を加えましたが、ライ麦でもOKです。
発酵が始まりますが、とても良い香りとは言えません!
ライ麦独特の香り?ちょっと強烈です(^^;
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《3日目》
強力粉 20gと水 20gを混ぜ合わせて、2倍程度になるまで発酵させます。
その後、冷蔵庫で休ませます。(6時間~1日)
《4日目》
強力粉 20gと水 20gを混ぜ合わせて、2倍程度になるまで発酵させます。
その後、冷蔵庫で休ませます。(6時間~1日)
4日目くらい(休ませている時間もあるので、1週間ほど経過)になると、
粉と水だけで起こしたはずなのに、とても芳醇な良い香りに変化します。
始めは感じられませんでしたが、
アルコールのような、果物で酵母を起こした時のような、とても良い香りです。
この香りが感じられたら成功です!
5日目の工程に進みます。
この時点で、良い香りを感じられなければ、失敗かもしれません(>_<)
《5日目》最終日は塩も加えます。
強力粉 20gと水 20gと塩 1gを加え、混ぜ合わせ、2倍程度になるまで発酵させます。
その後、冷蔵庫で休ませます。(6時間~1日)
《6日目》
ルヴァンリキッドの完成です。発酵種として使えます。
2日目に表面を少し取り除いているので、だいたい200gのルヴァン種が出来上がりました。
水と粉が同じ1:1の物は、やや緩めの仕上がりのルヴァン リキッドに分類されます。
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ルヴァン リキッドとは?
ルヴァン種には、
水分が多い=ルヴァン リキッドと
水分が少ない=ルヴァン デュールに分けられます。
粉と水、1:1の割合(もしくは、もう少し水分を多くしたもの)が、
ルヴァン リキッド、水分の量が粉に対して、半量~8割程度のものが、
硬めのルヴァン デュールになります。
ルヴァン リキッド使い方
ルヴァン は、単体で使うというよりも、イーストや他の酵母と合わせて使うのが一般的です。
粉に対してルヴァン種は10~30%、イーストは0.2~0.8%ほど加えて使用します。
なぜ、ルヴァンは単体で使えないのか、というと
ルヴァンの発酵力はそれほど強くありません。
発酵しないわけではないのですが、かなり時間がかかります。
発酵に時間がかかり過ぎてしまうと、どうしてもルヴァン特有の酸味が出て来て
しまいます。
発酵力は強くないのですが、芳醇な香り、ほのかな酸味と旨味が加わります。
イーストにルヴァンを加えるだけで風味豊かな味わい深いパンに仕上がりになります。
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まとめ
ライ麦と水で作るルヴァン種、難しい上に時間がかかります。
今回は冷蔵庫で休ませている時間も含めると2週間弱かかりました。
冷蔵庫の中で放置してしまうと酢酸が生成され、酸味が強くなりますのであまり放置しない方が良いです。
ルヴァン種の作り方は人それぞれ異なるので、決まりはありません。
決まりがない分、成功か失敗か見極めが難しいのですが、香りの変化で見極めると間違いないと思います。
ライ麦の香りからは想像できない、芳醇な良い香りのルヴァン種が出来上がります。
そのルヴァン種を使って仕上げたパンはとても風味豊かで味わい深いですよ。
次回は出来上がったルヴァン リキッドを使ったパン作りです。
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