オーバーナイトなし、常温発酵のバゲット
スポンサーリンク
低温、長時間発酵が基本のバゲットですが、
今回はオーバーナイトはなし、全て常温発酵で焼成までいきます。
ポーリッシュ種でもなく、元種も使わずに自家製酵母エキスをストレートで
そのまま使ったバゲット作りです。
自家製酵母ストレートとは?
自家製酵母のパン作りでは
ストレートや元種の表記があります。
自家製酵母ストレートとは、
元種(発酵種)を使わずに、酵母エキス(+水)をそのまま仕込み水としてパンを作ることです。
パン作りで材料を一度に全て混ぜて作る方法もストレート法と言います。
イーストで作るストレート法のパンは短時間で仕上がるのに対して、自家製酵母ストレートのパンは発酵に時間がかかるので短時間では完成しません。
酵母エキスをそのまま使っているので、起こした酵母そのものの香りが
そのまま出やすいのが特徴です。
ちなみに、ポーリッシュの特徴も香りの良さですが、
これは酵母エキスの香りというより、熟成された小麦の香りが出ます。
イーストでポーリッシュ法のパンを焼き上げると香りの変化がよく分かります。
今回は八朔酵母だったのですが、酵母エキスの消費目的もあったので、
元種を作らずにエキスの全量をそのまま仕込み水として使い切りました。
酵母を起こしてから少し時間がたったので、柑橘系の爽やかな香りが薄くなり、
残念ながら起こした酵母の香りは期待出来ません。
香りが薄いのなら…と
桜の葉パウダーを忍ばせてみました。
という事で、季節外れ感満載のバゲットです(´艸`*)
スポンサーリンク
バゲットの作り方
さて、さて、バゲットの作り方ですが、いろんな作り方がありますよね。
ポーリッシュ法、パートフェルメンテ法、ストレート法、中種法…
○○法と名のつく製法もいろいろあります。
発酵種を入れたり、発酵生地を混ぜたり…捏ね方、パンチの回数やベンチタイムの時間に発酵時間…工程が多い上に、気温も変わる…。
とてもとても時間通りには進みません。
シンプルなパンを焼き上げるのに工程はとても多いです。
決して感覚だけでは作れませんが、ある程度は自分の感覚が頼りになります。
そして、今回は、レスペクチュスパニス製法風の作り方です。
あくまでも、風、ですのでお間違いなく。
レスペクチュスパニス製法とは?
レスペクチュスパニス製法というのが、数年前から新しい製法として広まっています、が、実は昔からあった製法です。
おそらく製法の名前すらないほど基本的な作り方だったのだと思います。
今回はレスペクチュスパニス 風…なので大雑把な説明です。
(いつかレスペクチュスパニス製法に寄せて作った時に、もう少し語ってもよいのかな?と思います。…というか、まだきちんと理解していないのもので)
使う粉、酵母の量、塩分の量、ミキシング、発酵温度と時間、全てに決まりのようなものがあります。
今回はというと、
酵母と塩分量が非常に少ないという点はクリアしているのですが、
★粉=レスペクチュスパニス製法に値する物を使っていない
★発酵温度=高すぎる
上記の2点が異なる点です。
発酵温度に関しては、温度が高い分、時間で調節した…つもりです。
※4月だったので今よりも気温が低かったのが救いです。
室温が24℃を超える常温発酵では上手く出来たかどうか分かりません。(今日の室温は25.5℃)
スポンサーリンク
レスペクチュスパニス製法風のバゲットの作り方
基本的な作り方は、
少ない酵母であまり捏ねずにパンチで繋ぎ、オーバーナイト(冷蔵庫発酵)はせずに、常温で発酵させます。
レスペクチュス製法では加水も〇%程度とあるようですが(詳細は不明)、それほど高加水ではないと聞いた事があったような?気がするので、今回は加水80%で。
※酵母エキスが加水80%に含まれています。
材料
ヌーベルバーグ 100%
自家製酵母エキス+水 80%
桜の葉パウダー(塩) 1.8%
※塩の代わりに桜の葉パウダーを使用していますが、塩の場合は1.4%
捏ね~発酵
発酵は12時間。
この発酵時間は3回目のパンチが終わってから、分割、成型に入るまでの発酵時間です。(パンチを入れる前からだと17時間程度かな?)
成型後の最終発酵の時間は含まれていません。
①粉(と桜の葉パウダーを混ぜておき)に酵母液+水を加えて混ぜる。
②オートリーズ30分とった後、塩を加える。
(※今回は桜の葉パウダー使用なので、これを塩分代わりとし、最初に粉類と混ぜています)
③捏ね過ぎないように捏ねる。
※パンチで繋いでいくので、いつもよりも捏ね時間は短め。
④1時間後にパンチを入れる。
⑤更に1時間後にパンチを入れる。(パンチの入れ方は↑④と同じ)
⑥3時間後にパンチを入れる。(パンチの入れ方は↑④と同じ)
※3回目のパンチだけ3時間後にしたのは、パンチを2回で終了しても良いか迷いがあったので、生地の状態をしばらく見てから、パンチを入れるか判断しました。
スポンサーリンク
⑦常温で最終発酵させる。
気温が高かったので8時間くらいで発酵具合をみる予定だったのですが、
つい、寝てしまったので結果12時間の発酵時間になりました。
目が覚めて慌てて見てみたら、パンパンに膨れてます。
発酵温度はもっと低めで、もう少し時間をかけるのが本来のやり方なのですが、
気温が少し高めなので、これ以上発酵させていたら…間違いなく過発酵だったと思います(^^;
分割〜ベンチ〜成型
余談ですが、
ここからは焼成まで1時間半で終わらせないと、朝のワンコの散歩に間に合いません。
余裕のない作業になります。(それでも写真は撮ります;´∀`))
①作業台に生地をひっくり返す。
②分割しやすいように形を軽く整えてる。
③分割して、ベンチを取ります。30~40分。
④生地をひっくり返して軽くガス抜きをしながら平らにする。
⑤上下に折ってもう一度折り込み、更にもう一度折り込む。
⑥形を整えて、キャンバスで最終発酵させる。(20~30分)
スポンサーリンク
焼成
※今回は最終発酵に入ったと同時にオーブンの予熱(250℃)を開始しました。
①キャンバスからオーブンシートに生地を移す。
②軽く粉を振って、余計な粉を刷毛で払う。
③オーブンの予熱が完了したら、クープを入れる。
30㎝弱の長さなので4本クープにしました。
④温度を220℃に下げて、霧吹きをして焼成する。(25~28分)
焼き上がり
ワンコの散歩時間が10分ほど遅れましたが、なんとか焼き上がりました。
いつもよりは慌て気味に入れたクープは変な所もありますが、一応は無事。
帯切れはなくて一安心です。
ただ、もっと焼成したかった…です。
スポンサーリンク
まとめ
バゲットなどのハード系を作る場合、
当たり前のようにオーバーナイト(冷蔵庫で低温発酵)していたので、
常温で発酵させるレスペクチュスパニス製法に若干の不安がありましたが、
長時間発酵の自家製酵母ストレートならいけるかも?!と思い、作ってみました。
クラムは悪くないです。
24時間以内に仕上がるバゲット、なかなかハードです。
うっかり寝落ちする、というハプニングもあり、発酵時間が予定よりも長くなりましたが、意外とそれが良かったような気もしています。
数日かけ、低温発酵でのんびり焼き上げるバゲットとは違い、
常温発酵で24時間以内に完成するバゲットは、気温が高くなると難しいようです。
夏に向けての季節は厳しそうなので、しばらくは作れなさそうです。
次回は、レスペクチュスパニス製法と言い切れるように、
粉を調節して、気温が低くなる頃に作りたいと思います。
分かりにくいですが、ほんのり桜の葉パウダーの色。
桜の香りがします。
初夏には、あまりに季節外れ。
投稿するのを辞めようと思いましたが、
自家製酵母ストレートのパンが久しぶりだったことと、
いつもとは違う製法だったこともあり投稿してみました。
後半、バタバタした作業になりましたが
次はもう少し余裕をもって作りたいです。
長文、読んで頂いてありがとうございます(*- -)(*_ _)